サーブリッグ分析
Therblig analysis

定義:

サーブリッグ分析とは、アメリカのギルブレスが考案した動作研究の手法で、「微動作分析」とも呼ばれます。この分析では、人が作業を行う際の基本動作を18種類の「動素(サーブリッグ)」と呼ばれる要素に分類し、それぞれを記号化して分析を行います。

目的:

この分析の目的は、一つの作業工程を構成する手や目の動きなどを細かく分析することで、無駄な動作をなくし、作業者の疲労が少なく、最も効率的で経済的な動作の組み合わせを確立することです。

補足:

考案者のギルブレスは、IE(インダストリアル・エンジニアリング)の基礎を築いた人物の一人です。「サーブリッグ」という名称は、彼の名前(Gilbreth)の綴りを逆にしたものに由来します。この分析手法は、今日のIEにおける代表的な動作分析の手法として活用されています。

サーブリッグ記号

サーブリッグ分析記号の説明

第1類

価値を生み出す必要な作業だが、距離や時間など短縮できるところは改善する。

  1. 空手移動
    モノに近づいたり離れたりする動作。まだ手には何も持っていない。空の皿の形の記号。
  2. つかむ
    モノをつかむ動作。モノに触れた瞬間から次の要素へ移行するまで。磁石の形の記号。
  3. 運ぶ
    モノを持ったまま場所移動する動き。お皿にモノを乗せて運ぶ形の記号。
  4. 位置決め
    使いやすいようにモノの位置を正す動作。
  5. 組み合せる
    ものを組み合せる動作。
  6. 分解する
    組み合せたモノを分解する動作。
  7. 使う
    器具や装置を使ってモノの状態を変化させている動作。コップを上向きにして使う形の記号。
  8. 手放す
    モノを手から放す動作。皿を逆さにした形の記号。
  9. 調べる
    モノのサイズや色、形などを検査する動作。レンズ形の記号。
第2類

できればなくしたい動素。

  1. さがす
    対象物がどこにあるか目でさがす。目でモノをさがす形の記号。
  2. 見出す
    目で対象物をさがし当てたときの動き。
  3. 選ぶ
    複数のものから目的のものを選択するときの動作。目的物を指し示す記号。
  4. 考える
    作業そのものに入る前に考える動作。頭に手を当て考えている様を表した記号。
  5. 用意する
    モノを使用後、次回次回位置を正す動作をしないように、使いやすい位置に置く動作。ボーリングのピンの形の記号。
第3類

ムダな作業なので、完全に取り除く必要がある。

  1. つかまえている
    モノをつかんだままでいる状態。磁石にモノが吸い付いている形の記号。
  2. 避けられない遅れ
    自分ではどうにもならない遅れ。つまづいた形の記号。
  3. 避けられる遅れ
    自身の意思で防ぐことのできる遅れ。よそ見や手を休める動き。人が寝た形の記号。
  4. 休む
    疲れたために休む動き。椅子に座る形の記号。